地震保険で、保険金が支払われるハードルってどのくらいなのか

この前、あるおじいさんから地震保険について質問を受けましたので、記事にしておきます。

質問内容は、「入っていても補償を受けられることはまず無いらしい」「家が潰れたりなど余程のことでなければ保険金はでないそうですね」というもの。あと、保険金の支払い方法も火災保険とは違いあまりでないとか、認定基準についてのこともありました。

ですので、その辺について書いていきますが、誰に聞いたんでしょうね。(笑)

そんなことはありません。自分は、日本国内でも珍しい部類に入る、地震保険の保険金請求実務をかなりやった経験があります。件数で言うと、数えるほどではありませんね。なんせ、3.11のときにかなりの件数の立会やなんかをしましたので。

ですので、査定基準は、契約のしおりに少し出ていますが、さらに具体的なことは、モラルリスクなどの関係から非公開なんですが、調査員がやっているのを見たり聞いたりもかなりしましたので、大分解っています。

しかも、実際に調査にかけて、支払われた割合というのを考えると、ほぼ「100%近く」支払われています。全損になった人は、数えるほどでしたが、半損になった人は、結構いました。あとは、一部損ということで、5%の支払いです。

で、ここで気を付けたいのは、半損=単純に半分ぐらいの損害を受けているというわけでは、必ずしも無いということです。あくまでも、地震保険契約上、定義されている「半損」なわけですから。

具体的に言いましょう。地震保険契約上の半損というのは、現状、建物であれば、2割以上。家財であれば、3割以上の損害を受けた場合に該当するとなっています。従って、8割大丈夫な場合でも、2割損害があれば、それに該当し、半分支払われる、ということになるのです。(建物)

ちなみに、最低の支払いだと、僅か3%(建物)、全損は5割以上(同)の損害の場合です。

ですから、結構支払いのハードルは低いんです。実務的な実感としてもかなり払われやすい制度という印象です。

家財についてもそうですね。自分の顧客では、半損になった人が続出でした。真面目な話。算出方法は、非公開ということなので、あまり具体的には言えませんが、やはり、災害の性質上、スピーディーさをかなり追求した制度となっています。

なので、支払い区分も3種類(全部、5割、5%)だけ。(ゼロもまぜると4種類ですが) あと、今度2017.1からは半損が2種類になってゼロもまぜると計5種類となるようですが。(まだ、確定ではないようですが、こんな感じになるようです)

あ、あとですね、木造、鉄骨、鉄筋コンクリート、その他、それぞれ査定基準が違います。なかでも、木造は保険金が多かったです。実際のダメージは判りませんが、鉄骨は、あんまり損害割合が上がらないんですね。ですから、鉄骨だと「一部損」という最低の支払いがほとんどでした。

家財は、木造も鉄骨も無いので、どちらも同様でしたが。

木造なんかだとですね、契約のしおりの基準で見てもそうですが、2階建てだと、基礎と外壁に一箇所ずつ亀裂が入ったぐらいで、最低の支払いのラインに達します。平屋であれば、基礎に一箇所で達します。

というぐらい、払えるようになっているというわけです。経験上言えば、新しくても古くても、当時、基礎の換気口のところなどに、みんな亀裂が入っていました。(表面だけかもですが)

というわけで、地震保険は、「入っていても補償を受けられることはまず無い」とか、「家が潰れたりなど余程のことでなければ保険金はでない」というのはウソですから。どこから聞いてきたのか知りませんが、そんなことはないのです。

実際に経験をしているのですから、間違いありません。

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