【自動車保険】センターラインオーバーでぶつけられた被害者が相手に対し約 4,000万円の賠償命令、について考えてみた2/5
※ 1/5からの続きです。
ネット上では様々なコメントが
で、ネット上では、的を射ているコメントもトンチンカンなコメントもありましたが、トンチンカンなものがかなりありました。
例えば、
「自賠責の死亡の上限は、3,000万円だから、1,000万は、任意保険で出るんだろう。」
自賠法では、確かに、
(自動車損害賠償責任)
第三条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。
と定められており、要するに請求者側ではなく、払う側が過失がなかったことを証明できなければ、賠償の責任を負うということになりますが、どのような場合でも、一切の責任を負うというものではありません。
従って、ケースごとの減額の規定はあるのです。丁度いいのがあったので、こちらからお借りしました。
ですから、被害者の過失に応じて、このように減額ということになります。それと、もう一つ。
被害者に重大な過失がある場合は、次に掲げる表のとおり、積算した損害額が保険金額に満たない場合には積算した損害額から、また、保険金額以上となる場合には保険金額から減額を行う。
上限を超える場合は、上限から減額となります。ですので、今回の事故では、裁判所が認定した過失が7割未満でなければ、上限いっぱいの3,000万円ということはあり得ないのです。そして、こういうわけですので、自賠責の考え方と、通常の物損などの考え方は、全く違います。
加えて、任意保険を適用する場合は、通常物損のようにモロに過失相殺をかけることになりますので、結果的に保険会社が自賠責から回収した結果、自賠責からいくら、任意保険からいくら、という風にはなるでしょうが、実際の賠償を保険会社が行う場合は、
「総損害額 × 過失割合 = 実際の賠償額」
となるので、自賠で、上限まで払って、あと任意でという話ではありません。しかも、自賠責の場合ですと、慰謝料から何から、計算の基準が決まっているので、仮に金額が上限を超えなくても、計算の基準を超える金額を支払う場合は、自賠責からは出ないので、任意保険で保険会社が支払うことになります。
※ 次回(明日)に続きます。
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